朝から久しぶりの雨だ。庭の枯れ枝に水滴が花を咲かせたようについて輝いている。裏の庭を見ると枯れ草が濡れて立ち枯れ淋しく妖しげであった。
ここから始めてみようとあかねを置いた。佇み雨に濡れる白装束の女、素足の寒さが女の体の芯を犯す。正座をした女は冷え切った体の芯に縄を受けた意味を理解しようとじゅ縛の感触を深めている。やがて後ろ手に縛られた血の気が失せた白いすらりとした指がざざ虫に犯されるようにうごめく。襟を開いた濡れた白い肌の乳房が薄桃色に光を受けてグイと色気で迫る。被写体から受ける放射エネルギーの艶熱がドンドンと重なり俺の撮影は進む。熱は情熱になりより濃厚なアイデアで進む心地よく進む。女の指は興奮のるつぼを見せている。
昼食
いよいよ今日のメインテーマの吊り。いわゆる風船吊り。逆エビをより丸く形つくる。よほど体が柔らかくないと出来ないが、あかねは幸いに柔らかい。腰縄で吊り手を足首に止める。これを吊りながらの作業になる。さすがのあかねも苦しく悲鳴をあげるが、どうしてもやらねばとあかねの体を支えるもの、縄の位置を決めるものが騒動する。出来た|撮影だ|あらら回転する|止めろ|樹里|回転を止める縄をうつのだ、縄筋が違う。あかねは限界だ|反対に走れ|やっと出来た。数カット撮り騒動の現場は満足する。とにかくこの撮影は皆んなが満足のいく撮影で終わった。
文 杉浦則夫
掲載開始日 2019.3.21・28 掲載終了 2019.4.25
注意:
月額会員サイト「杉浦則夫緊縛桟敷」でのダウンロード作品の掲載期間は四週間です。
掲載終了後は姉妹サイト「緊縛桟敷キネマ館」にて販売される予定となっております。※販売時期は当分先になります。
リンク:緊縛桟敷キネマ館 →
あかねさん、幾分ほっそりされて久しぶりの登場にまず感謝。
絶好の被写体から刺激を受けたと思しき、
竹3本組の両面花唇責め、逆さ吊りから展開しての大開脚等、
いかにもきつそうな責め場面が多く、視覚的な見応えは十分。
がしかし個人的には、前半の着物の裾を捲られて双臀をさらされ、舐られる場面や、
そぼ降る雨の中、冷たい地面に倒され竹でいたぶられる場面など、
彼女独特の、カメラのレンズを通して見ている側と「情」を交わしているかのような、
表情と肢体に大いに惹かれました。