今回の撮影の前半を青年期に観た映画『鍵』を思い起こしながら進めた。
当時芸術家猥褻かと騒がれた、谷崎潤一郎の『鍵』である。中村鴈治郎と京まちこの濃厚な猥褻シーンを旧家の薄暗いベットに若妻を眠らせて、枕スタンドの明かりで妻の性器をくまなく調べる男、鴈治郎。眠りから覚めぬ京まちこの擬態じみた寝顔。今でも鴈治郎老人の脂ぎったギラギラした目を思い出す。
市川崑監督はよくも猥褻をここまでも昇華させて描けたものとボッキしていた俺の過去の記憶。それを思い起こしながら鏡堂老人と撮った。しかし鈴木ちひろは24歳のお尻がプリプリとした女であるが。彼女にとっては緊縛は初めてのことという事で『無理はしないでくれ』と伝えたが、頑張り屋さんで涙をこらえて『大丈夫です』と繰り返していた。
文 杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2019.4.4・11 掲載終了 2019.5.9
杉浦則夫緊縛桟敷 掲載内容
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