福原なつ乃

By 2024年10月10日撮影後記

俺はついに老境の域にあるようだ。ふとしたときに昔の出来事が蘇る。そして人の出会いの不思議さに驚く。20代の頃俺は浅草で青春を踊り子たちとの時間を楽しんでいた。その頃の浅草は60年代の様な人通りはなく寂れた街であった。

故太古ハチロウさんが突然に渋谷に面白い作家がいるからと俺を浅草から引っ張り出した。ー浅草はぬるま湯に浸かっているような街で貧乏していてもどこからか手助けがあり生きてはいける街であったーそして団鬼六師匠との出会いである。これで俺の人生は決定されるのであった。あれだけ流星を謳歌した師匠にも断筆宣言をして将棋雑誌を発行して失敗すると、豪邸に住みながらも町内会費を払うことが出来ないほどの窮乏になり、俺に突然電話があるとお金を貸してくれということであった。夕方の桜木町の家に着くと寂しそうな師匠の姿を見ることになる。「俺は死ぬ時期を逸した」寂しく語る師匠。まさか師からこの様な言葉があるとは驚きであった。「酒を飲ましてくれ」ということで居酒屋で二人は淋しい酒を飲むのであった。

福原なつ乃T164 B88(E-70) W64 H88 S23.5趣味料理旅行。スポーツ弓道、ダンス、ジム。宣材のデーターより
宣材写真から判断して設定をOLの拉致ときめる。拉致では大袈裟な仕掛けがいると思い大きな袋を用意する。袋からのぞく福原の脚が、視覚を奪われた女は恐怖で脚をうねらせて艶かしく横たわっている。かたく縄で結ばれた袋の中は闇、男の手が下着にかかる感触に身悶えしながら抵抗するが虚しい努力だ。手が荒々しく下着を奪いとる、女はあらわにされた下半身にこれから行われる無惨な羞恥を覚悟させられると不思議と女は物と化していく。男は女を快楽の底に堕とす性具のうなりを立てている。こんな惨めな有様でも女の体は快楽から逃れる術がないことを悟る。

杉浦則夫

撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2024.10.3・10 掲載終了 2024.11.14

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