「緊縛の撮影がしたく連絡しました」と藍川みれいから桟敷に連絡がきたのは一月ほど前であった。今日の撮影は期待が持てると勇んでやって来たのであったが、彼女はほとんど緊縛の経験がなかった。いわゆるソフトSMという知識であった。
このソフトSMという解釈が撮影において弊害になる。もともとは反倫理観から生まれた緊縛にあるいはAVにやたらと倫理観を持ち込む風潮に傾けている馬鹿な社会を生んでいる。ここで反骨精神を出しても致しがたないかと諦めて入る。昔話をしても若者に笑われるだけだが、緊縛などと聞いたことも見たこともないモデルが昔はほとんどであった。だが現場を見事に演じて終えたものだ。それは昔話。藍川に話を戻そう。
彼女の魅力は若い反抗心に満ちているところだと思う。この青い果実を一皮づつ剥いていけば縄に馴染む体ができるだろう。今回の撮影でも時として鋭い目付きの中に琴線をくすぶる姿を見せている。
彼女は業界に入ってまもないせいで、演技そすることができていない。それだから性具で責められると洩らす吐息は細く可愛く身の内から出していた。彼女は下半身を剥かれてM字の開脚に縛られている。なぜか恍惚の表情である。羞恥の表情よりも藍川には似合いである。観る人にそそる気持ちを起こさせればいい。
多分このシーンあたりがソフトSMであろう。
文 杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2021.3.18・25 掲載終了 2021.4.22
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