野球帽子にスニーカー白のヘムチェニックブラウスとズボン。最近のAV女優の典型な姿でスタジオ入りをした藤木さん。元気で楽しそうだ。撮影が終了するまでこの元気が続いてくれと思う。奈加さんがやって来る。二人は旧知のようだ。ツイッターでの知り合いでとてもいい雰囲気だ。
藤木の日常姿をまずは撮る。いよいよ変態シーンの始まりだ。元気と変態はリズムが違う。不安。縄をかけられた藤木の後手の手首がしきりと動く。この動きをするモデルは縄を拒否する動きである、緊縛の体験が浅い藤木にとつては手首の縛りの圧迫感に違和感があるのであろう。撮影が完了するか心配だ。だが幸いなことに奈加さんへの信頼が彼女の不安を取り除いた。
その後は順調に撮影は進んだ。俺が昔に鬼プロに在籍していた頃、鬼六先生が自身の小説の挿絵を画家に依頼するための下絵を俺は毎回描かされた。その中の多くはベットに縛り付けた大の字縛りであった。これはマニアにとって憧れのポーズだ。このシーンを撮るには写真だとカメラが被写体の真上に構えないと上手く撮れない。それを撮る方法は色々あるが手間に大変な時間を要する。今回は2メーターほどの高い脚立を使用した。俺はこの高さの脚立から撮影中に落ちて骨折した過去がある。それ以来の高さである。少し怖いが俯瞰撮影とはこのようなものと覚悟して撮る。大の字に縛り付けられた女にはまだ自由がある。それを肉食動物が獲物を弄ぶように女を貶す至高の楽しみはがある。不安定な姿勢で撮りながらもそんな事を感じていた。
全てが上手く終了して藤木さんは「楽しかった」を残して帰った。
杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2023.9.7・14 掲載終了 2023.10.12
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掲載終了後は姉妹サイト「緊縛桟敷キネマ館」にて販売される予定となっております。※販売時期は当分先になります。
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