蚊帳を使って撮影をしますと伝えると、それではかき氷パーティの浴衣にたすき掛けが色気があるということで、樹里さんはお店のかき氷機とすだれを用意してくれた。たしかにたすき掛けのジュンは俺の子供時代の近所の奥さんの様で親しみがある。母性的な包容力を感じさせる。
ジュンさんは桟敷の応募モデルで縄の経験などは分からないが、手首に縄がかかった時のリアクションでおおよその見当はつくものだ。正座で足裏を縛ってみた。止血された足がみるみる紫色に変わり、石抱きのそろばんの責をもたらしているようだ。匠くんは意地悪くその足をぐりぐりと責め立てている。ジュンは悲鳴をあげながらドラマの中に入っていく。白いうなじから見てふっくらともりあがった半裸の乳房の悩ましい色気、苦しみ悶えた後の弛緩した美、そしていつかおとずれるであろう狂気。それを期待して撮影をすすめる。
茶室の小庭にはもうこの時期には蚊が多くなり、蚊取り線香をもうもうとともし、女好きの蚊が寄せつかない注意をする。荒縄で磔縛りをしたジュンの湯文字がはらりと落ちて全裸の肉体がガバリト晒された瞬間に、美なのかエロなのか小さなショックがはしった。日本の女の裸体、浮世絵でみかける女。きっと枕絵の花芯を大きく描いた女の姿を見たのか?
昼食を済ませいよいよ蚊帳のある部屋での撮影に入る。この浴衣は昔風の寝間着にしようとこだわった。蚊帳と浴衣と女それだけでこれほどに興奮をもたらすものかとためらう。いやいや女がジュンだからなのか。匠くんそんなに深くジュンのあそこに指を入れてはいけないよとわくわくしながらジュンの表情をおう。素晴らしい緊縛枕絵だ。
ジュンがぼそりという。私の初めてのバイブレーターの経験。
文 杉浦則夫
掲載開始日 2018.7.5・12 掲載終了 2018.8.9
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