川越ゆいはAV活動歴が11年というベテランだ。それだけに職業的な責任感の強い人であった。和服の所作を心得ている。だが俺はあえてその所作を打ち消す様な自然な動きを求めた。
久々の和服の撮影だから色彩に配慮した写真を作ろうと心がけた。前半にバイブのシーンを撮り終えると「バイブの挿入が浅すぎ動きも下手だと」今までにその様なクレームを聞いたことがない事をゆいが言う。この人は本気の現場を渡ってきた人なのだとスタッフの心を入れ替えさせる。
みやび画伯も前戯のnawaを股間に使いゆいに寄り添い心を昂らせてバイブでゆいを絶頂に仕向ける。ゆいの唇が揺れ徐々に上気した艶が現れる。俺は以前にAVの現場で男優のハックシーンをみとことがある。それはもう悲壮というか滑稽である。20分ほどのシーンを撮りなおもシーン変えでハックは続く。その間男優は勃起を保たなければならない。彼れは片隅でペニスをしごくのである。彼には快楽はない生きるためのボッキである。そんな現場を川越は11年も過ごしているのであるから濡れ場のシーンは欲情を誘わないはずがない。
我々の撮影はぬれ場を離れて緊縛に戻ろう。俺は珍しくもワンカットの絵コンテを用意していた。彼女の長い舌の責めである。結い上げた髪を下ろし本来はタブーであるが乱れた髪を縄に挟み込んだ。ゆいの妖艶な美が凄惨さに豹変する、濡れ髪だ濡れ髪ならば凄さを増すと一気にボルテイジをあげる。そこからのシーンの進行は納得のいくものとなる。俺はこの様な瞬間を楽しみに緊縛撮影をしてきたのだ。
杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2023.12.21・28 掲載終了 2024.1.25
注意:
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掲載終了後は姉妹サイト「緊縛桟敷キネマ館」にて販売される予定となっております。※販売時期は当分先になります。
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