縄を人体に掛ける行為の始まりが戦国時代の捕虜に縄を手首から首に回したと云われている。たぶんそれは荒縄であろうと推測する。荒縄は縛りのとめが難しく扱いにくいが、いかにも軒下からもちだしたようで、用意された麻縄よりもリアリティーがあるように感じる。
「おはようぞざいます」とやって来た桐田にがそうそうに責め役の匠くんをつかまえて、吊りの場面では首を絞められるととてもいい気持ちになりますから、そのようにお願いしますと云うのが聞こえた。これはしめた、想い通りの責めが可能だと喜び、まずは裏庭で荒縄を使ってみた。桐谷の顔立ちはアングルのかまえかたですごく変わる。幼い顔、田舎の土くれた顔、責めるとそれらがミックスして妖艶にも悪女にも変わる。裏庭の木に逆さ吊りにして10kgもある切り株を首から下げてみた、重みを増して荒縄が首をしっかりと締め上げている。桐谷は顔を反らして首縄の感触を楽しむ様に揺れていた。
「鼻フック美人という珍しい人がいるが、まさにこの女性は鼻フック美人だ」と鼻フック評論家の匠君が太鼓判だ。またしても鼻を責められた桐谷の顔立ちが変わった。そんな様子でバイブで責められて悶えてよがるのであるから、こちらのほうもよほど好き者であるらしい。バイブの二度目のシーンではもう少し長くしていただくと私は嬉しいのですと訴えるしまつ。正直な女です。
この年代ではお灸は見た事もないそうだ。もちろん実際に肌を焦がす事はできないが、その熱さをフィクションで感じさせてフィクションで観ていただきたいとシーンをつくった。やりてババアが売れない女郎を折檻していますと。こやまに積んだもぐさが煙をたてて燃えるのは意外と早く桐谷の悲鳴がおこった、すかさずスタッフが水を張った器に取り除くのでした。煙の効果が悪いとリテイクを申し出る俺。もぐさの効果でかそのごの桐谷の尻が色気付いた
文 杉浦則夫
掲載開始日 2018.4.19・26 掲載終了 2018.5.24
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