撮影後記:しずかはいかにも東北の土臭い風貌がある女である。だが時々のぞかせる色気は魔物的というか土着の魔性を含んだ凄みをみせる。
なかなかの古典文学少女であったという。中学で好色一代女6巻を通読している。近松門左衛門の心中天網島も愛読書であった少女時代だと云う。こんな愛欲の本道を理解しているせいか、ほとんど手がけていない縛りにおいてもしずかの物語を独自に創りながら撮影をされていた。
そうだ今、思えばこの二人に道ならぬ恋を与えて心中させるのも面白かったかもしれない。長襦袢にはあえて8mmの一本ロープで縛って下さいと奈加さんに頼む。裏庭と真澄の風貌が伊藤晴雨を想いおこさせたー余談だが誰がいつから2本からめの縄を使い始めたのか。捕り縄も晴雨も一本したてであるーすっかりおようさんに変身した真澄はロー涙を乳房に垂らされて陶酔している。
折檻部屋の破れ襖から冷たい風が入るが熱中しているしずかには寒さは感じないようだ。薄暗がりに和ローソクの灯はえてしずかをてらすと、苦痛にゆがむ目がしらにきらきと光る涙がいとおしい。
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