櫻子

By 2024年9月12日撮影後記

櫻子さんは数回の撮影になる。撮影の様子は熟知している。今回は少女の悲哀をテーマにしようと思った。悲哀とは哀しく酷いことと理解する。その様な心つもりで撮影を開始する。

だがそんな想いが可能になったのは出だしのワンシーンだけでいつの間にか様子の儚さが失われてしまう。櫻子の涙と鼻水に歪む表情に呻き声が重なりクライマックスのような現場になってしまった。それを止める術がない。このような微妙なテーマは俺にそれを表現する力が多大にないと失敗をみる。

何よりも被写体がそれを望むのかという問題もある。櫻子は今回も拘束感を求めてきているはずだ。それは究極には吊を意味する。確かに緊縛として積み重ねた場面の重さは新しさだけでは比重の重さに違いがありすぎる。だが果たしてそんな挑戦の姿勢を失っていいのであろうか?
今回のその様な救いはM字に縄どめされた櫻子が陰部をいじられると胴縄が惨たらしく腹部を圧迫するのを堪えて抵抗するさまが痛々しく見えている。むしろこれは拒否というか胴縄の圧迫を楽しんでいたのかもしれない。

今回は神田つばき女史が撮影同行記を書くために参加をしている。彼女がふと昔の写真を見ると縛られた女がタバコを吸っているものがある、そんな笑いのある写真は今はないがどのように思うかと質問された。昔の綺談倶楽部の見出しのタイトルを見ると多くがユーモアに満ちている。今のタイトルは4字熟語ばかりだ実につまらない。ユーモアの無さは作者と閲覧者の余裕のなさが原因であろう。もともと日本人はエロと残酷は笑いを入れる余裕を持っていた、失われた文化であろう。

杉浦則夫

撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2024.9.5・12 掲載終了 2024.10.10

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