塩見さんとは2回目の撮影とあってある程度の企画と準備をして撮影にかかった。このように俺が準備して撮影に臨むと何かしらの不具合が起こるのが俺のジンクスである。
撮影日前日に奈加さんから困った声で「明日の現場をダブルブッキングしてしまった。桟敷の現場に4時に入りたい」と緊急の連絡が入る。10年も一緒に撮影をしていればこのようなボケは起こるものだと承諾する。すぐに他の縛り師を探すが皆んな空いていない。やむなく鏡堂さんに緊縛を頼む。そして当日塩見さんが生理日の前と言うことですこぶる調子が悪いと告げられる。最初のシーンを撮ると崩れるように蹲み込んでしまう。中断してベットで休ませる。暫くしてベットの上での展開を考える。だが彼女の気持ちはノリが悪い。無理かと諦めかけたがパンツに縄をかけた時に塩見が覚醒した。鏡堂の縄が塩見に襲いかかる。正に襲った。女は寝たままであるから彼は女に馬乗りで縄をかけるのである。これには現実めいた臨場感が生まれる。塩見のクリトリスが勃起しているのが見える。
衣装を変えて撮影のアイデアを変える。ローソクの灯りが美しく立ち昇る。俺のアイデアの片鱗にOジョの物語の一節が浮かぶ。恋人への愛のために彼の求める女になるために、彼の命令に従順に従う愛の遂行。なんとなく美しい一節を作る。ここで奈加さんの登場。いつもの撮影に戻る。
杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演・緊縛:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2021.7.1・8 掲載終了 2021.8.12
注意:
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掲載終了後は姉妹サイト「緊縛桟敷キネマ館」にて販売される予定となっております。※販売時期は当分先になります。
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