小さな女中部屋に鎖に繋がれて夜を過ごします。部屋には女の匂いがきつく漂う。ここの主人は女の汚れた匂いに酔う性癖があります。
なんとも甘酸っぱい濃厚な果物の腐った匂いです。奴隷はそれをとても恥じらいますが主人への務めと思い入浴を我慢しています。その上に排泄までもさせられます。夜は大きな部屋で私の望むプレーを行います。終わるとこの小さなへやに戻されるのです。
私はここに一月ほど暮らしています。
前にも奴隷がいた様で、もの入れの壁に落書きが残っています。「美しさは苦しみと残る」と書いてあります。
私もいつの日にか捨てられる事であろうから落書きを残します。
「火の玉の様な欲望が落ちた時、私は清らかになる」
思い起こせば私が何も知らない少女の時に見た月岡芳年の画集が始まりでした。あの残虐な血飛沫に心を奪われてしまってからです。痛みを密の味と知る様になるとは。
文 杉浦則夫
撮影:杉浦則夫 緊縛:奈加あきら 助演:鏡堂みやび 制作:杉浦則夫写真事務所
掲載開始日 2021.3.18・25 掲載終了 2021.4.22
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