可愛いと言われるのは何歳ごろであろうか。幼児期にあてての言葉であろうが、70歳のお年頃にもよく婦女子は使う。情をしれば知るほどに可愛さは抜けて色気がとってかわるのだろうか。
だがゆいこは可愛い。この女は愛情、憎しみ、妬みを知らないで暮らしてきたのであろうか。そうでもまいらしい、ひとかどの経験は積んでいると聞く。ならば何故このような可愛い顔をしていられるのだろうか。たぶん幸せの養分を吸収するのがうまく、不幸をわずかにして差し引いて生活すると可愛さが残るのであろう。
色白の肌にシミ、ソバカス、傷跡がない。これは美品の肉体といえる。可愛さはえがおがもちあじであるから、俺としては縛られての表情に少々苦労する。無理につくった演技は求めるところではない。<クスコをつかいたいのだが>と聞くと、一瞬ためらいの表情で<はい>とうなずいてくれた。絵コンテを作らないで撮影に臨む俺にとってはこのような協力は次のシーン進む力になる。<女のあそこの中を見ても色気は感じないよな>と奈加さん。<確かに医療になってしまう>と俺。<だがその世界の熱狂的なフアンもいますよ。スコープまで買って中を動画で撮る人も>と樹里さん。確かに俺も最初の時はドキドキしながら撮影をしたものだ。
昼食 このスタジオには拘置所のような作りになっていて檻が3面できている。これからの撮影を考えながら、一人でおにぎりをほうばる。午後の檻の中の衣装は時間の経過を作って、汚れたスリップにする。匠くんが台所で墨をつかって汚しを入れ、ライターであぶって破れを作り、檻に飼われるゆいこちゃんの衣装を作る。
むちりとしたお尻をむくむく振りながら檻の中を散歩、餌を無理やりにねじこめられて、靴でふんずけられて、あげくは腹をみせて服従の失禁。満足なシーンです。
やはりここは地獄地帯。可愛さは苦痛の仕掛けで顔をゆがめる展開になります。
文 杉浦則夫
掲載開始日 2018.10.4・11 掲載終了 2018.11.8
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